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工具鋼の化学成分について【中身を知れば違いがわかる】






<目次>

  1. 工具鋼って?

  2. 工具鋼にはこんな化学成分が含まれる

  3. 工具鋼にはどんな種類があるの?

  4. 他にもこんな材料の化学成分も








工具鋼って?




鋼材はどうやって作られる?製鋼工程




工具鋼とは各種の工具や刃物に用いられる鉄鋼材料である。耐摩耗性をはじめ,用途により耐圧,耐酸,耐熱などいろいろの特性が要求される。その種類は次のとおり。



炭素工具鋼、 合金工具鋼、高速度工具鋼がある。工具鋼に添加されている成分は主に以下のものが含まれている。

工具鋼にはこんな化学成分が含まれる


炭素(C=Carbon)

C0.6以上ではC量を増加しても焼き入れかたさは増大しないが、炭化物質が増し耐摩耗性を増大さす。

ケイ素(Si=Silicon)

耐酸化性を向上させるが硬化させることにもなるので加工性を考慮に入れて多少少なめが良い。

マンガン(Mn=Manganese)

耐摩耗性に優れているが耐食性は皆無である。焼入性が増し、Sによる脆化性を防止する効果がある。多量に加えると焼割れを起こしたり、残留オーステナイトが生じ脆化する。



リン(P=Phosphorus)

どのような鉄鋼製品にとっても有害である。内部傷を発生させ、脆性を増加させたりする。0.03%程度なら影響はない。

硫黄(S=Sulfur)

少ない程耐食性が向上する。硫黄はマンガンと化合し易く、耐食性を低下させる。加工性を向上させる為に硫黄の量を増やすことがある。

クローム(Cr=Chromium)

焼入性を増し、炭化物をつくり耐摩耗性を増す。また、耐酸化性を増し、じん性も良化する。

ニッケル(Ni=Nickel)

少量添加でじん性が増すが、多量に加えると残留オーステナイトが生じ脆化する。

また焼入性も増す。

モリブデン(Mo=Molybdenum)

タングステンの1/2の量で同様な性質が得られる。高温硬さ、強度が増し、焼入性を増大する。


タングステン(W=Wolfram)

金属のうちでは最も融点が高く、600℃までの高温硬さを増す。Crの存在により焼戻し抵抗が非常に大きくなり二次硬化を起こす。また耐摩耗性も増加する。



バナジウム(V=vanadium)

金属としては軟らかい。結晶粒が微細化した金属構造になり、焼戻し抵抗性を増大させ、高温硬さを高める。じん性を損なわず強度が増すのが特徴である。含有量を増すと焼入性を低下させるので普通は2%以下が良い。



コバルト(Co=cobalt)

耐摩耗性、高温硬さが増す。多量に加えると脆化するが、Vの添加により抑止できる。









工具鋼にはどんな種類があるの?




■合金工具鋼(ダイス鋼)



炭素工具鋼(SK材)にタングステン(W)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)などを添加して、靭性、耐衝撃性、耐摩耗性などを一段と高めたもの。切削工具、耐衝撃工具、冷間金型、熱間金型等に使用されます。


SKS11,SKS2,SKS21,SKS5,SKS51,SKS7,SKS8,SKS81,SKS4,SKS41,SKS43,SKS44,SKS3,SKS31,SKS93,SKS94,SKS95,SKD1,SKD2,SKD10,SKD11,SKD12,SKD4,SKD5,SKD6,SKD61,SKD62,SKD7,SKD8,SKT3,SKT4,SKT6の合金工具鋼の化学成分表


合金工具鋼の成分
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■高速度工具鋼(ハイス鋼)



タングステン,クロム,バナジウム,コバルトなどの元素を多量に含む合金。高熱下での耐軟化性が良く,高速度で切削加工ができる。ドリル、エンドミルやタップの切削工具及び金型などに用いられる。


SKH2,SKH3,SKH4,SKH10,SKH50,SKH51,SKH52,SKH53,SKH54,SKH55,SKH56,SKH57,SKH58,SKH59,SKH40の高速度工具鋼の化学成分表


高速度工具鋼の成分
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